村上春樹

村上春樹 『かえるくん、東京を救う』

村上春樹の『かえるくん、東京を救う』を再読した。15年前に読んだ際の記憶は殆どない。「神の子どもたちはみな踊る」は神戸の震災(1995/1/17)についての短編小説集で、1999年に「新潮」に掲載され2000年に単行本化された。発行後すぐに読んだが「震災」とい…

僕らの人生は勝ち方によってではなく、その敗れ去り方によって最終的な価値を定められるのです。

僕らの人生は勝ち方によってではなく、その敗れ去り方によって最終的な価値を定められるのです。神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/02/28メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 427回この商品を含むブロ…

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

もし僕らのことばがウィスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。しかし…

その時、象は平原に還り

そしてその時、象は平原に還り僕はより美しい言葉で世界を語り始めるだろう。-村上春樹 風の歌を聴け (講談社文庫) (1979) 村上春樹の小説を読むというのは、それが何度目か、初めてかを問わず特別な体験だ。なにか聞いた風なフレーズだけど、本当に特別だ。…

「僕」の中に混入してきた「俺」の謎 - 村上さんのところ/村上春樹

「僕」の中に混入してきた「俺」の謎 - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト村上春樹が、とにかくものすごい件数のメールに返信しているのに驚いた。 「僕」と「俺」「おれ」はもちろん意図的に、微妙に使い分けています。そう思って読んでくれま…

「fairness」と「desency」

「fairness」と「desency」 村上春樹の小説の一人称「僕」はまっとうな人間であり、少なくともまっとうであろうとしている人間だった。 このまっとうさは、物事に誠実に向き合うということだろう。 誠実であり、礼儀正しくあるとは当たり前のことだし、そん…