2015-03-03から1日間の記事一覧

スバルレオーネ(5才)

記憶はひとつを想いだすと、前後して想いだしたり、全く関係のないことを想いだしたりするようだ。 --- 体は丈夫で小学生まで無遅刻無欠席だった。保育園で5才の七五三は半ズボンにタイツだったのが恥ずかしかった、千歳飴もいらなかった。 雪が降った夜、父…

帽子につけるバッジ(5才)

盛岡は雪国なので子どもも毛糸の帽子を被る。 ある日、父は私の毛糸の帽子にエーデルワイスの白いバッジをつけてくれた。父の帽子は水色に白いラインだったが、自分の帽子は良く憶えていない。 帽子をかぶって保育園に行くと、ある男の子に「そのバッジちょ…

スーパーカブ(5才)

保育園には父親が迎えに来てくれていた。弟は一学年下で、2人でスーパーカブに乗って家まで帰った。正確に言うと保育園に隣接した農業試験場の中のアパート(宿舎)に住んでいたので、父は子どもを保育園に迎えに行きバイクに乗せ、数メートル走って降ろし、私…

消防車の本(4才)

自分のことを思い返してみて、どうしてこうなってしまったかを考え直してみないとテキストがどうこう書いても上滑りなのかも知れない。よく憶えていないけれど、病室に母親が消防車か何かの本を持ってきてくれた。それより前はあまり憶えていないな。3〜4才…

何故思っていることが伝えられないのか

何故思っていることが伝えられないのか。それにすぐに答えが出るのなら、悩みにはならない。これまでは「受け取り側に問題があるのだ」と思っていたけれど、それは違うだろう。おそらく伝わっていたが、その思考経路まで見透かされていたので、敢えて(私の為…

もっとバカ

論理的には整合的なのだが、『道徳の系譜』を書いたときにニーチェがまだ気づいていなかったことがあった。それは「畜群」というのは「畜群を見ると吐き気がする」というような「貴族のマネ」も簡単に出来るタフな生物だった、ということである。その一世紀…

「fairness」と「desency」

「fairness」と「desency」 村上春樹の小説の一人称「僕」はまっとうな人間であり、少なくともまっとうであろうとしている人間だった。 このまっとうさは、物事に誠実に向き合うということだろう。 誠実であり、礼儀正しくあるとは当たり前のことだし、そん…